暗闇の世界から解放されて二年が経った…

 

個人で戦うのはそろそろ限界

 

敵はあまりにも多く、危険だった

 

 

なのでルナとサニーはある組織に入ることを決意した

 

 

 

 

 

太陽の物語

 

 

 

 

 

 

 「キミ達がグロリア軍に入りたいという二人かね?」

 

 「はーい!」

 

 

 

 メタグロスの司令官が二人の前に座って書類に目を通している。

 威厳のある顔に大きな×字の傷が深く残っている、きっと昔の任務で傷ついたのだろう。

 

 

 

 「確か兄妹ということだが…キミがお兄さんの方だね?」

 

 「いや…俺は妹だ…」

 

 「ボクがお兄さんのサニーでーす☆」

 

 「…キミ達、大人をからかうのは止めたまえ。大体キミが兄というなら何故スカートなんだ」

 

 「こっちの方が落ち着くっていうか…うん、いわゆる変装ってやつです!」

 

 

 サニーは沢山の敵に追われている身。

 姿を変えていなければすぐに見つかってしまうので、せめて性別だけは隠せるように女装をしている。

 男に見えるか女に見えるかだけでだいぶ狙ってくる敵が減ったのでこの状況が続いている。

 サニーはそんなに気にしていない、というかむしろ女装を楽しんでるので問題はない。

 

 

 「それにキミが妹というのも無理があるぞ。背も180近くあるし、

その声も声変わりした男子並の低さじゃないか」

 

 「そう成長してしまったのだからしょうがないだろう…」

 

 「しかも女だったらもう少し胸があってもいいんじゃないのか?」

 

 「……そんなところを見ていたのか…セクハラというものだな…?」

 

 「いやっ…!断じてセクハラなんかでは…!!」

 

 

 「…とにかく、俺は妹で」

 

 「ボクがお兄さんなの!」

 

 

 当の本人がいくらそう言っても誰も信じられるわけがない。

 司令官は大きなため息をつき椅子にもたれた。

 

 

 「本当のことを言わないとどうも書類が進まないんだが…」

 

 

 「鉄司令官、それは本当のことですよ」

 

 「月詠か…何故そう言える?」

 

 

 月詠と呼ばれた和服のミロカロスの青年が部屋に入ってきた。

 やはりミロカロスというだけあってかなりの美形で長身である。

 

 

 「私の女性レーダーがこの方に反応していますから」

 

 そう言ってにこりと笑って、ルナの手を握った

 

 

 「初めまして、私は月詠と申します。主に医療・回復系としてこの軍に所属しています。

  それにしても美しい女性ですね…スラリと伸びた足、長身が抜群のボディラインを引き立たせています…

  そしてその整った顔…、鋭い目つきもミステリアスで最高です」

 

 「…これがセクハラか?貴様馴れ馴れしく俺に触るな…その腕が二度と使えないようにしてやろうか…?」

 

 「いやぁ、恐ろしいですねぇ」

 

 

 ルナは月詠の手を振りほどいた。

 月詠は全然恐れている様子もなく、むしろ嫌がるルナを見て楽しんでいるようだった。

 

 

 「こちらはお兄さんですね?こんにちは」

 

 「こんにちは!セクハラのおじさん!」

 

 「私はおじさんではありませんよ?月詠です」

 

 「月詠よ…あえてセクハラには突っ込まないのだな…」

 

 「司令官、逆にセクハラに反応してしまってはそれが肯定されてしまいます」

 

 「うっ…」(←セクハラに反応してしまった人)

 

 「というわけで、こちらの長身の方が女性で、こちらのピンクさんが男性です」

 

 「そ、そうか…ならそれで話を進めよう…」

 

 「わーい!やっと信じてくれたー!」

 

 「ゴホン、で、話を進めるが…グロリア軍に入るにあたって、まずは『仮』入隊してもらおう」

 

 「仮…入隊?」

 

 

 「このグロリア軍というのは多数の小隊で成り立っている。

  一つの小隊は大体五人から六人の編成だ。主に接近戦型と遠距離戦型、そして特殊型と回復型…

  このタイプの違った者達が組み合わされる。そして小隊ごとに任務がくだり、それをこなすというシステムだ」

 

 「へぇ〜、行動自体は小隊で行うんだ」

 

 

 

 「そうなるとチームワークは必要不可欠となるわけだ。

  それでまず、チームに同調できるか確かめるために所属する小隊に『仮』入隊してもらう。

  仮入隊の期間は一ヶ月だ。その一ヶ月間、何のトラブルもなく任務をこなすことができたら

  そのまま正式に入隊というわけだ。

もし仮入隊時にチーム内でトラブルが起きて任務が遂行できなくなった場合や

  そのトラブルが原因で任務を失敗してしまったら即辞めてもらう。再入隊は認めない」

 

 

 

 「はーい!わかりましたぁ!!」

 

 「………」

 

 

 群れるのが苦手なルナはどうも上手く行く気がしないと思っていた。

 足を引っ張られるのは嫌だし、人とのコミュニケーションもうまくとれない。

 軍に入るということも本当はとても嫌なのだが、兄を守るためにはどうしても

大きな組織にいなければならなくなったということもあり、嫌々で軍に入るわけだが、

さらに小隊の奴らと仲良くしなければいけないという試練まで出されてしまった…。

 ルナにとっては最悪かつ、一番の難関である。

 

 

 

 「では、入っておいで」

 

 

 司令官がそう言うと二人の男女が部屋に入ってきた。

 

 一人は長身で体格の良い赤毛のリザードンの男で、もう一人は女性にしては結構高めの身長をしている

 チャイナ服のメガニウムの女性だ。

 

 

 

 「ちぃーっす!お前達が新しい仲間か?俺はリザードンのウィル!見ての通りバリバリの接近戦型だ!

  まぁ、仲良くしようぜ!」

 

 

 「私はメガニウムの莉・李苡(り・りぃ)よ。リリィって呼びなさい。一応遠距離戦型だけど

特殊も回復もできるわ。接近戦も苦手ではないから、いわゆるオールマイティね。よろしく」

 

 

 

 「前のチーム外されたと思ったらこういうことだったのか〜!ワクワクするなぁ!!」

 

 「私的にはバカ恐竜とは絶対に組みたくなかったわ」

 

 「バカ恐竜って誰のことだよ!!」

 

 「あ〜ら、そんなこともわからないなんて…やっぱりバカ恐竜はバカね」

 

 「俺だってお前みたいなケバケバ恐竜といたら香水臭くてたまらないぞ!!」

 

 「誰が年増の厚化粧だって!?この口か!?この口が言うのかっ!?」

 

 「いだだだだだだ!!そこまで言ってねぇー!!!」

 

 

 いきなり喧嘩を始めてしまった二人。

 やはり炎タイプと草タイプの恐竜同士なので反発しあっているのだろうか…

 

 

 「ケンカはダメだよ!!」

 

 「…………」(騒がしい…こんな奴らと組むのか…?)

 

 「いいんですよ、これは彼らのスキンシップみたいなものです」

 

 「セクハラのおじさん…」

 

 「月詠です」

 

 「でもこれで任務とかできるの?あの二人…仲悪そうだよ…?」

 

 「喧嘩するほど仲が良いって言うじゃないですか。それにあの二人、実はとてもいいコンビ技まで持ってましてね、

  任務中はすごく真面目に戦っていますよ」

 

 「へぇ〜、じゃあホントは仲良しなんだね?」

 

 

 『仲良しなんかじゃない!!!!』

 

 

 「ほら、バッチリのコンビネーション」

 

 「月詠はあることないこと新人に叩き込まないで頂戴!!」

 

 「おっとこれは失礼、しかし怒っていては折角の綺麗な顔が台無しですよ?」

 

 「うるさいわねぇ!このセクハラ大魔神!!」

 

 「やっぱりセクハラのおじさん…」

 

 「月詠です」

 

 「何っ!?あんたもしかして新人にもう手出ししたわけ!?ウソっ!しかもこんな未発達な幼女にっ!?

  相変わらず最低ね!!顔だけよ、アンタは!!」

 

 「いえいえ、私はこちらの方には何もしてませんよ」

 

 「っていうことは…」

 

 

 李苡の目線はルナに行った

 

 

 「アンタついに男にまで…っ!!!いくら新人がイケメンだからって…!!」

 

 「李苡さん、色々な誤解をしていますが…私は女の方にしか興味はありませんよ」

 

 「だって…!こっちの幼女には手を出してないってことは

あっちのイケメン男子には手を出したってことじゃない!!」

 

 「だから…こっちの貴女曰くイケメン男子は女性の方なんですって」

 

 「ハッ!!そんな見え透いた嘘どこの誰が信じるのよ!!」

 

 「ねぇ、お姉ちゃん」

 

 

 ヒステリック気味の李苡にサニーは声をかけた。

 普通の人だったらあんなヒステリック姉ちゃんに声をかけようとはしないだろう。

 

 

 「何?新人の…ああ、まだ名前聞いてなかったわね」

 

 「はじめまして!ボクはニューラのサニーです!」

 

 「か…可愛い…!!た、戦いのことなら俺に訊いてくれ!!」

 

 「何デレデレしてんのよ?アンタまで幼女に手を出す気?」

 

 

 「あのぉ、さっきから勘違いしてるようだけど、ボクは男の子なの」

 

 

 「…はぁ?」

 

 「でね、あっちのキミ曰くイケメン男子はね、ボクの妹のルナちゃんなの」

 

 「何?頭大丈夫?自分の性別間違ってるわよ?

 

 「そういや、新人は双子のニューラで兄貴と妹だって聞いてたな。

  このかわいこちゃんが妹であのイケメンくんが兄貴ってことか?」

 

 「だから!ボクがお兄さんでルナちゃんが妹なの!!」

 

 「だって、スカートはいてる男がどこにいるのよ?髪の毛も可愛く結んでるし」

 

 「これは…ちょっとワケあってね、外では身を隠さなくちゃいけないから…女装して性別隠してるの」

 

 「いや、信じられないわ。証拠は?」

 

 「証拠…」

 

 サニーはウィルの手を掴んだ

 

 「え…ちょっ…どこに行くんだ!?」

 

 「トイレ!!」

 

 「待て!俺たちは出会ってまだ数分しか…!そういうことは早すぎるのでは…!?///

 

 「証拠見せてくる!!」

 

 「兄さん!!そんなことしてはいけません!!」

 

 「あら?やっと喋ったわねイケメンくん。声もなんてカッコイイのかしら…!」

 

 「ダメだよ!これから一緒に戦う仲間になるんだもん!ちゃんと知ってもらわなきゃ…!」

 

 「知るって…///まだそんなお互いの身体を知るのは経験不足が…!!いや、嬉しいけど…///

 

 「行ってきます!!」

 

 「兄さん…」

 

 

 

 数分後

 

 

 

 「…俺の線香花火のような恋は終わった」

 

 

 青ざめたウィルと、少し赤面しているサニーが帰ってきた。

 どうやら真実を知ったらしい…

 

 

 「こいつは男だぜ…正真正銘のな……」

 

 「えぇぇええっ!?ウソっ!?」

 

 「俺がこの目でしっかりと見てきた…」

 

 「ていうことはマジでこっちのイケメンくんは女なのっ!?」

 

 「…………」

 

 「信じられない!!男っぽい女ってのはいるけどこれは完璧に男でしょう!?」

 

 「…ならば脱ぐか?」

 

 「でしたら私の前でお願いします♪」

 

 「セクハラ野郎は黙ってなさい」

 

 「兄さんも恥を忍んで証明したんだ…だったら俺もやらなければ……」

 

 ルナは李苡の腕をグッと引っ張った

 

 「いやいやいや、いいわよ!!わかったわかった!アンタは女なのね!!

  サニーが男ならアンタが妹ってことだものね…」

 

 「…………」

 

 「それにしてもこの力…腕が折れそうよ、離して頂戴」

 

 李苡の腕は恐怖の握力から解放された

 

 

 「…………」

 

 「また黙り込んじゃって、アンタ相当無口ね」

 

 「違うんだよ!ルナちゃん、人見知りが激しいから…きっと仲良くなればもっとお話するし

  ちゃんと笑ってくれるよ!ホントはとっても優しくてね、すごくいい人なんだよ!!」

 

 「…………」

 

 「ふぅん、人見知りねぇ…こんなに激しい人見知りは初めて見たわ。

  なんか嫌われてるオーラ全開なんですけど」

 

 「でもま、任務してるうちに仲良くなれるだろ!平気へーき!!」

 

 「あら?もう立ち直ったの?」

 

 「明日は明日の風が吹くってな…そうやって俺の恋は終わったり始まったりするのさ…」

 

 「勝手に始まってことごとく玉砕されてるだけでしょ」

 

 「うるせぇよ!!お前だって男の一人もできないくせに〜!!」

 

 「なっ!?違うわよ!できないんじゃなくて作らないの!!私に相応しい男なんて中々いないんだから!!」

 

 「負け犬の遠吠え…か」

 

 「そんなに毒の粉くらって泡吹きたいのかしら…?」

 

 

 

 そしてまた始まる二人の喧嘩。

 オロオロするサニーと、絶対にうまくやっていけない自信があるルナ。

 

 この四人が力を合わせていくことができるのだろうか…

 

 そしてルナとサニーは無事、正式入隊することができるのだろうか…

 

 

 

 

 まだまだ、物語は始まったばかりである…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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